用語の解釈は、その地域、その時代の社会的・経済的状況等によって、また、貸主・借主・仲介業者それぞれの立場によって、変化が生じるし、個々の具体的な条件によって、異なる場合がある。ここでは、(社)東京都宅地建物取引業協会制定の「建物賃貸借・管理Q&A」「不動産売買契約Q&A」より引用した。 |
用 語 |
解 説 |
売買目的物の表示 | 売買する目的不動産の表示は、登記簿記載の内容(公簿面積等)を記載。 もしも、土地の地目や地積等の現況が異なる場合あるいは建物につき増改築等がある場合は、(現況表示・特記事項)の欄にその旨記載される。 |
売買代金 | 売買代金総額、土地代金、建物代金、消費税 手付金、中間金、残代金等の支払い金額、支払い時期を記載。 |
土地の実測 | 実測してその数値に相違があれば実測図による面積(実測面積)に基づいて売買代金を清算する場合。実測清算 |
代金精算の単価 | 実測清算する場合には、1uあたりの単価で清算する。 |
所有権移転 引渡し 登記手続きの日 |
売買代金の支払時期、所有権移転時期、所有権移転登記手続き時期、物件の引渡し時期を同じ時期に行う。 |
公租・公課納付 分担の起算日 |
起算日を1月1日とする。 |
手付解除の期限 | 契約締結後ある程度の期間が経過したときは、売主・買主ともに手付解除ができない。 |
違約金の額 | 違約金は損害賠償の予定であり、売買代金の2割程度とされることが多い。 |
融資の利用 | 金融機関、住宅金融公庫等の専門機関の融資。 「融資承認予定日」は融資の可否がはっきりする時期。 |
瑕疵担保責任の負担の有無 | 民法570条の瑕疵担保責任は任意規定ですので、その負担の有無を選択する。 |
用 語 |
解 説 |
手付 | 手付金は契約締結の際に支払われる金員でその性格 @契約の成立を証するための証拠という趣旨で授受される「証約手付」 A契約の相手方が契約の履行に着手するまでの間、解除権を保留し、手付放棄、手付倍返しで解除出来るという趣旨で授受される「解約手付」 B当事者に債務不履行があったときは、違約罰として、損害賠償とは別に当然に没収できる趣旨で授受される「違約手付」があるが、民法は特段の事情がない限り「解約手付」と推定しています。 手付金の額には特に制限はありませんが、通常10%〜20%(宅建業者が売主の場合は20%を超えて受領出来ない。 |
境界の明示及び 実測図の作成 |
売主に対し、隣地との境界を明示し、実測図を交付する義務づけている。 |
地積更正登記 | 登記簿記載の内容と実体関係に食い違いがある場合に、これを合致させるための登記。2つの方法がある。 @すでに存在している登記について、その記載内容に対応する実体関係が後になって変化したためにこれを合致させる登記で、これを「変更登記」という。 Aすでに存在している登記について、当初から錯誤または遺漏があったためにその内容を訂正させる登記で、これを「更正登記」という。 |
売買代金の清算 | 契約方法には「公簿売買型」と「実測売買型」がある。 「公簿売買型」は公簿面積と実測面積が一致しないことがあっても清算しないことを約した契約方法です。 「実測売買型」は公簿面積と実測面積の差について清算することを約した契約方法です。 |
所有権移転の時期 | 所有権移転の時期について、売買代金全額の支払い時とした。 |
引渡し | 引き渡しの時期は、売買代金全額の支払い時とした。 |
所有権移転登記 の申請 |
所有権の移転登記手続きと費用負担を定める。 |
付帯設備の引渡し | 付帯設備の引き渡しは、その設備内容による。 |
負担の消除 | 所有権は目的物を使用、収益、処分することのできる権利であり、買主もそのことを前提として取得するものです。したがって、売主は、特約のない限り、所有権の行使を阻害する一切の要因を売主の責任で抹消または除去したうえで、買主に引き渡す必要がある。 |
印紙代の負担 | 平等に負担するのがもっとも公平である。 |
公租・公課の負担 | 固定資産税・都市計画税のみを対象としている。 通常関東では、1月1日を計算の起算日とすることが多い。 不動産取得税、贈与税等は含まない。 |
手付解除 | 契約の相手方が履行に着手するまで、または一定の月数が経過するまでのいずれか早い時期までであれば、買主は手付を放棄することにより、売主は手付を倍返しすることにより、契約の解除ができる。 |
契約違反による 解除 |
売主または買主が契約に定める債務を履行しないとき、相手方は契約を解除できる。 |
融資利用の場合 |
融資不成立による買主の解除権を認める条項を「ローン条項」という。(本契約は「解除条件型」) 融資不成立の場合に、自動的に契約が消滅する「解除条件型」と解除期限までは買主が解除権を留保できる「解除権の留保型」がある。 |
瑕疵担保責任 | 売買契約のような有償契約において、取引の目的物である土地建物に瑕疵がある場合、売主は民法に規定する責任を負うことになる。買主に損害賠償請求権、解除権を認めている。(民法566条、570条) |
諸規約の承継 | 不動産の所有者等に対してその利用を制限する場合があります。法律上当然制限される場合はもちろん、法律に基づいて私人間で合意した場合(建築基準法に基づく建築協定や、建物の区分所有法に基づく規約、集会の決議)はその不動産の特定承継人(買主)にも、当然その効力を生ずることになります。 |
協議事項 | 関係法規とは、民法、都市計画法、建築基準法、宅建業法等その範囲は広範に及びます。 不動産の慣行とは、不動産取引に関して一般的に行われているものでなければならない。 |
遺漏 | い‐ろう もれること。手ぬかりのあること。「万(バン)―のないようにせよ」 |
錯誤 | さく‐ご あやまり。まちがい。 事実と観念とが一致しないこと。現実に起っている事柄と考えとが一致しないこと。「時代―」 |
媒介 | ばい‐かい 仲介と同じ 法律では媒介を使用している 双方の間に立ってとりもつこと。なかだち。とりもち。きもいり。「マラリアを―する蚊」 〔哲〕(Vermittelung ドイツ) 或るものを他のものを通じて存在させること。ヘーゲルは、直接的な存在が実は他者によって条件づけられた存在であり、すべての存在は直接性と媒介性とを含むと考えた。 |
仲介 | ちゅう‐かい 両方の間に立って便宜をはかること。なかだち。「―の労をとる」 紛争解決のため当事者間に第三者が介入すること。国際法では居中調停という。 |
金員 | きん‐いん (金銭の員数の意) 金額。金銭。 |
遵守 | じゅん‐しゅ きまり・法律・道理などにしたがい、よく守ること。「規則を―する」 |
履行 | り‐こう‥カウ 実際に行うこと。言葉どおりに実行すること。 〔法〕債権の内容を実現する債務者の行為。債権の内容を実現する行為の方面からは履行とい い、債権消滅の方面からは弁済という。 |
瑕疵 | か‐し きず。欠点。 法律または当事者の予期するような状態や性質の欠けていること。例えば、他人の詐欺または 強迫によって行われた意思表示を瑕疵ある意思表示という。 |
毀損 | き‐そん 物をこわすこと。物がこわれること。 傷をつけること。「名誉―」 |